3つの基本的なスーツスタイル

 

今回はスーツの基本的な3つのスタイルについてご紹介します!

 

ひとくちにスーツと言っても細かく見るといろんなディテールがあります。

 

それぞれ文化的なものだったり国民性によるものだったり多岐に渡ります。

 

 

 

ではまずはスーツ発祥の地、イギリスのブリティッシュスタイル

 

・重厚感のある生地、シャツはロンドンストライプなど少し派手

・ウエストを絞って、錯覚で胸の厚みを目立たせる

・しっかりした肩パッド

・胸ポケットは直線的なウエルトポケット(箱ポケット)

・サイドベンツ(貴族の乗馬文化による)

・チェンジポケットが付いている

・レジメンタルタイ(右上がり)

 

 

 

続いてイタリアのクラシコスタイル

イタリアは元々はイギリスの仕立て服を請け負っていた過去があります。

ですが独自の進化を遂げたテイストになりました。

 

・柔らかい生地、セクシーな色合い

・全体的に軽く仕上げる

・肩パッドは低いか入れない

・胸ポケットは曲線的なバルカポケット(バルカ=舟底)

・前見頃ダーツが裾まで伸びる(南イタリアに多いデザイン)

・パンツは細め

 

 

続いてアメリカンスタイル

体型や国民性によるのか全体的に大きく見せるものが多いです。

 

・ウエストの絞りが少ない

・しっかりした肩パッド

・肩幅広め

・フックベント

・レップタイ(レジメンタルとは逆の右下がり)

 

 

 

と、まだまだありますがざっと挙げるだけでもこれだけ特徴があります。

ただ、現在では1つのスタイルに絞るというより

ミックスしたものが多いです。

 

例えば、

・胸ポケットはバルカ(イタリア)

・シルエットはゆったり(アメリカ)

・サイドベンツ(イギリス)

 

という具合です。

 グローバル化が進み他国の情報が入りやすくなったからでしょうか。

 

 

皆さんもオーダーの際はそれぞれお好きなディテールをチョイスしてみて下さい(^^)

初めまして

初めまして!

関西のテーラーで働いているDと申します。

 

テーラーというと”オーダーするお店”というイメージがあるかと思いますが、

紳士仕立ての縫製をする人という意味もございます。

 

というのも仕立ての本場サヴィルロウのお店ではカッターと呼ばれる人とテーラーと呼ばれる人が存在します。

 

カッターが採寸とパターン作成、裁断を行い、テーラーが縫製をするという形が一般的です。

 

そしてテーラーの中でも袖パーツだけ縫製する人、衿だけ縫製する人、それぞれのパーツを合体する人というように分担していることも多く、ひとりで一からジャケットを作ることが出来ないというテーラーもかなりの数存在します。

 

しかしその流れの製作方法では縫製時間は早いのですがひとつの服に複数の手が携わっている事となり、お客様のオーダーの意図を全員が汲み取れて反映出来ているか。すべての糸ピッチや糸調子が合っているか。といったことが疎かになりがちではないかと考えてしまいます。

 (もちろんすべてのお店が・・・という訳ではありませんが)

 

そこで我々のお店では基本的に丸縫いという方式を採用しています。

 

ひとりのテーラーがひとつのアイテムを縫製するというやり方です。

 

そして本来、カッターの仕事である裁断から最後のボタン付けまでをひとりのテーラー

が担当します。 

 

そうすることによりテーラー個人のクセや服全体の雰囲気、統一感が出しやすくなると考えております。

(もちろん効率面は悪いですが、、)

 

その為に紳士服作りのすべての工程を学んでいく必要があるので日々、勉強実践に励んでおります。

(すべての工程をマスターするより先に寿命が来てしまうという有名な話もございます)

 

 

まだまだ未熟ではございますが紳士服の楽しさ美しさ奥深さウンチクなどさまざまな情報を発信していきたいと思っております。

 

一般消費者まで伝わりにくい仕立服の魅力についても分かりやすくお伝えして、そして日本の仕立て服のさらなる発展に貢献していけたらと思います。

 

 どうぞ宜しくお願いします!