良いジャケットの見極め方(見た目編)
こんにちは!
今回はお店などで役に立つ、良い仕立てのジャケットの見極め方をご紹介したいと思います(^^)
丁寧に仕立てられたジャケットはパッと見ただけでも美術品のような気品が漂います。
僕もそのような雰囲気が出るように意識して仕立てていますが、やはり我々仕立て屋が作るものは手間がかかっていてその分値段も高く、納期も長いです。ただ、この雰囲気は仕立て服でないと表せない部分もあります。
ですが量産品でも素晴らしい物もあるので仕立て服、量産品問わずパッと見で具体的にどのような部分を見て購入を決めればいいかを挙げるのでぜひ参考にしてみてください(^^)
今回は試着せずに見るだけで分かるポイントです。
では参りましょう。
1.縫い目がピリついていないか
このようにミシンの糸調子が生地に合っていないとこのように縫い目が汚くなります。
2.ラペル、カラー、刻みのバランスが左右同じか
ラペルとカラーの合体したV字の部分を刻みと言います。
この黄色い所ですね↓
下手な人が縫うとこの辺が左右で若干ズレます。。
確かめ方は左右の見頃をこのように合わせます↓
3.ラペルの先が痩せていないか
生地の厚みに生地を取られてヘコんでしまう現象です。
厚みのある生地では特になりやすいです。
本来赤ラインのようにまっすぐあるべきなのですが窪んでますよね。
その為に我々はこのように青ラインで縫います↓
少し大きく縫うことで厚みに取られてしまう生地分を補う訳ですね。
そうすることで赤ラインになります。
4.カラーの周囲が見頃にピッタリ付いているか
コットンや化学繊維などは難しい場合もありますがこの黄色ラインが浮いているとカチッと見えません。
5.ラペルとカラーの先端が見頃に接しているか
黄色い部分ですね。
ここが見頃に接していなく浮いているとカチッと見えません。
6.下袖(内袖)の縦方向にゆとりがあるか
分かりますでしょうか。
袖の内側にすこしシワっぽいのがありますよね。
これがゆとりです。
仕立て服ではここに縦方向にゆとりを7mmほど入れる場合が多いです。
理由は腕を上げた時に上げやすくする為です。
このゆとりの事を知らない方は「袖にシワが入ってる」と思われるかもしれませんね。
7.「抱き」が入っているか
これは好き嫌いが分かれる部分でもあります。
このゆとりの部分を「抱き」と言います。
入っている理由としては名前の通り抱くような動きをした時に動かしやすくする為でして、見た目的にはいらないとおっしゃる方もおられます。
無い方が後ろ姿がスッキリしますからね。
個人的には着心地も含めて服を評価したいので必要だと思っています。
8.ボタンに根巻きがされているか
雑な場合はミシン付けの可能性があります。
(安い量産品の場合はほぼ100%の確率でミシン付けですが)
やはりしっかり根巻きされてボタンが立っている方が丈夫で美しいです。
9.裏地が釣れているような不自然なシワが無いか
これは見極めるのが少し難しいかもしれませんが袖や見頃で起こります。
表地よりも裏地の寸法が足りない場合になってしまいます。
服には必要なシワと不要なシワがあるのでそれを知っていれば正しい判断が出来ます。
シワについてのお話はまた今度。
ざっと挙げてみたらこんな感じですかね。
一般の方にはそこに目を付けた事は無かった!という項目もあったのではないでしょうか。
値段が高くなると基本的には良い仕立てになりますがそうでないブランドももちろんあります。。。
逆にある程度安くてもこれらの項目をクリアしているブランドもあります。
ぜひ店頭でお確かめ下さい(☻v☻)